ENo.1604 エナ＝キークロップ

◆朝：才能の目覚め◆

エナ「ひゃゃわぁわわわぁぁ！！」

なんだかすごく怖い夢を見ました。
今まで食べた虫に一斉に追われる夢です。
当然ながら会話もなく、ただ追っかけてくるだけでした。
ものすごい数でしたし、逃げてるけど当然空を飛んでる相手の方が素早くて・・・ぶんぶん
思い出したくないです。

キュ「なに～？どうしたの？」
エナ「キューク！」（がばっ）
キュ「ちょ、くるし・・・」

しばらくして落ち着いてから、キュークに訳を話したところもっとちゃんと思い出して見ろと言われました。
特に、その虫たちはわたしに悪意を持って近づいてきたのか？ということを思い出すように・・・
夢の中では恐怖に染まり襲ってきているという認識しかなかったですが、
ちゃんと思い返してみると追いつかれたのにもかかわらず刺してくるような行動はしてきませんでしたし、
少し、まとわりつかれただけで服の中などに無理に入ってきたりはしていなかったように思います。

キュ「どう？悪意なく近づいてきてたんじゃない？それならおめでとう？何だけど」
エナ「おめでとう？ですか？」
キュ「そ、エナの神格化第一段階達成よ」

神格化・・・わたしたち貂はいろいろと修行をしています。
それの目標となるのかこの神格化。
本当に神になれるわけではありませんが、信奉してくれる人が増えることで自身の能力を増すことができるのですが・・・
その対象となる生物はまちまちで、お父さんは確か普通の貂と同じぐらいのほ乳類だったような気がします。

エナ「キュークは花をつける低草でしたよね？」
キュ「そうよ、わたしはお花畑に導かれて死んだのかと勘違いしちゃったわね」
エナ「・・・ということは・・・」

ということは・・・あの大量の虫の夢を見たと言うことは・・・えーと・・・
認めたくはない、認めたくはないですけど数は多いので有利といえば有利なのでしょうか
でも・・・あ・・・うー・・・

キュ「エナは虫ね。しかも聞くところによるとほとんどの節足動物っぽいからいいじゃない」
エナ「そ、そうですよね。喜ぶところですよね・・・でもでも・・・」

これから、虫の神様？として成長して行くとなると少しテンションが落ちてしまいます・・・
しかも、会話もできない虫が信奉してくれる対象だなんてどうやって集めればいいんでしょうか？
それともだんだん会話できて来ちゃうんでしょうか？食べづらくなります・・・

キュ「大丈夫でしょ。ある程度保護しながら食べれば」
エナ「へ？食べる？」
キュ「そうよ？私もそうしてるもの」

どうやら信奉する対象は生きてる必要はないらしく、体内に取り込んだ上で従えることでも集められるそうです。
ということは、わたしは虫を食べれば食べるほど強くなると言うことに・・・
なんだか毒系のものを植物由来から虫由来の物に変更したくなってきました。

◆昼：能力の発現◆

エナ「いろいろ食べて・・・ふぁぅあっ！何ですか？これ・・・」
キュ「ん～・・・蝶の幽霊じゃない？」
エナ「ち、蝶？そ、そういわれれば・・・夢の中にいたような」

夢の中でが起きる直前に鼻にとまった蝶がどうやら現実の世界まで追いかけてきたようです。
目の前でひらひらしてあまり逃げる様子もなく、なんとなくこっちをじーっと見ているように思えます。
どうしたらいいのでしょうか？

キュ「ほらほら、折角出てきてくれたんだから心を交わす。たぶんその子がエナの能力のリーダーよ」
エナ「え？うん、分かりました・・・」

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蝶？「エナっっていうの？初めまして、ワタシはあなたに初めて食べられた蝶よ。今までずっとあなたの中にいたの」
エナ「へ？ええ？何ここ・・・」
蝶？「ここはあなたの中よ、夢とそんなに変わらない空間ね。他の子たちは下がらせてるから安心して」
エナ「う、うん。えーと、それじゃあまず、あなたはなんて言うのですか？」
蝶？「そうね、名前はないわ、所詮はたたの虫だもの。ただ長いこといるからリーダーになっただけ」
エナ「そうなのですか・・・それじゃあ名前をつけた方がいいですね。えーと・・・」
蝶？「そんなことはまた今度でいいわ、それより力の使い方ね。まずはワタシを呼び出して、軽く意識をつなぐの」
エナ「はい」
蝶？「そしたら今のあなたの力で扱える虫を一覧で渡してあげるから、その中から使いたい子を選んでくれたらいいの、後は多分その子が教えてくれるわ」
エナ「夢で出てきたの全部って訳にはいかないんですね・・・」
蝶？「そりゃそうよ、あなたはまだレベル1何だから。今すぐといったらこの子ぐらいね、今度試しに使ってみるといいわ、それじゃね」
エナ「え、ちょっと、まっ」

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キュ「エナ！大丈夫？」
エナ「ふぇ・・・はい、ん？蝶さんはどこに・・・」
キュ「あなたの口の中に入っていったわよ？中に戻ったんじゃないかしら」

いきなり結構いっぱいまくし立てられて、よく分かりませんでしたが、
どうやら一種類？は扱えるようになったようです。
あとでキュークにでも試してみましょう

◆昼過ぎ：思いついた物を試してみる◆

さて、新しい能力が増えたところですが、今まで使っていた能力でできることも増やしていかなければなりません。
キュークが変身できることと、最近本をそこそこ上手く投げることができるようになってきたのを合わせて、
ちょっと面白いことを思いついたので試してみようと思ったのですが・・・

エナ「キューク、逃げましたね」

危険を察知したのか気づいたときには首元におらず、遁走していました。
さすが、ときどき無断でわたしの心を読んでいるだけあります。
が、

エナ「甘いですよ！キューク！」

昨日のうちにちょっと薬品を振りかけておいたので、少々水浴びしたぐらいでは完全に消せないにおいが付いています
それをたどれば・・・いました。
こんなところで銅像に化けているなんて今日は本気で逃げ出して、街を出たことにでも合流するつもりだったようです。

エナ「キューク、思いついた技の訓練をしますからつきあってください。それとも、いつも訓練訓練言ってるキュークが逃げるんですか？」
キュ「・・・・・・わかったわよ・・・」

・・・・・・
・・・

さて、キュークを捕まえたことにより訓練開始です。
どんな技を思いついたのかというと・・・

キュ「変身した私を投げつけて、手元に戻り、ひるんでる隙にまた投げるって？なんでそんな無茶につきあわなくちゃいけないのよ！」
エナ「最近コントロールもよくなって来ましたしいけます！」
キュ「そういう問題じゃ・・・」
エナ「行きますよ～、あの木に向かって投げますからね」
キュ「だから待て～・・・わひゃっ！」

全身の力を使って思いっきりそこそこ大きな木に向かって投げつけます。
キュークは文句を言っていた割に上手く石のようなゴムまりのような何かに化けて、
木に当たった後わたしの手元に戻ってきました。

エナ「ばっちりじゃないですか」
キュ「怖かったわよ！やめてよね」
エナ「でもちょっとずつ力を貯めて大きく変身していけば結構いいと思いませんか？」
キュ「・・・・・・」

その後なんとか説得してキュークに武器になってもらうことを了承してもらい、
木に向かってバウンドするように投げる練習をしていました。
結局10回ぐらいまではできるようになりましたが、動いている相手だともっと回数が落ちるでしょぅね・・・

◆夕方：街を離れて森へ◆

またオルゼに戻るため出発します。その道中二つ依頼があるらしく、それをこなしながら、です。
まずは、アップル退治という物なのですが、どんな物が出てくるのでしょうか。
この世界の現状を考えるに大きな林檎に目口が付いたぐらいを想像しているのですが・・・

キュ「ここに来たときとは今度は違う森に行くのよね、どうなってるか楽しみだわ」
エナ「そうですね～」

そうでなくてもはむはむの森とは違うということだけで心が躍ります。
この世界に来てしまったからにはいろいろと楽しまないともったいないですもんね。

キュ「そうそう、このアップルだったわね、私も似たような物だとは思うかな～、でも依頼の金額からしてそんなに強くはないんじゃないかしら」
エナ「そうですね～、はむはむ退治の方が金額が上ですから。街も近いですしそれほどではないことを願いたいです」

いろいろ今まで依頼をこなしてきましたが、おそらく最安値のような気がします。
他にも依頼をクリアーしたーという人は結構聞きましたので、沢山はいるようですが・・・
というか、名前からして食べられるようなら食べてみたいのです！
大きい林檎とか全身で中をほじくりながら何であこがれるじゃないですか～
昔プリンなんかでしようとしてもそんなに大きな容器がなくて断念しましたし、
この世界の巨大っぷりなら期待できます！

◆過去：もといた世界について◆

さて、お次はもといた世界について

もといた世界というか星はカニネフスーンといいまして、ほとんどが森に囲まれた星です。
母なる樹ノエに管理されたとてもキレイな自然が広がっています。
その中の数少ない平地にわたしの住んでいた図書館があるわけです。

魔術学がすごく発達していてわたしも何個か技術を供与していたりしていました。
なかなかに研究者気質な生物が数多く住む星のようで、それでいてかなり友好的な存在が多いように思います。
もしかするとわたしがお父さんの娘だからということもあるかもしれませんが、今はあまり考えないことにします。
そして、その分あまり科学技術の流入がないのですが、そこまでの不便はないです。
最低限の物は技術ではなくできた物を他の星から輸入しているようですからね。

◆おまけ：アイコン◆

エナ「はわわわわわわ、こ、これをですか？」

エナ「・・・・・はぁ、気のせい、気のせいですよ～」

エナ「へっΣな、何を言ってるのかよく分からないです」

エナ「そんなに尻尾触っちゃだめですよ～・・・」

エナ「というわけで、アイコンが変わりました～」

キューク「わたしはどうなのよ」

エナ「また今度、だそうですよ。動物かけない」

キューク「それにしても別じ・・・」

エナ「それを言っちゃダメです～！」

エナ「全身絵はまた今度頑張ります。ではでは、またです～」