ENo.1432 シェリル＝スノーマン

　ゾンビ達をやっつけた後
オルゼの街に戻って来た私たちは一旦宿に戻って
自由時間ということになった。

動物愛好家のシェリー「あのゾンビは生きていたのか死んでいたのかよくわからないね…。」

動物愛好家のシェリー「レムネットさんとは洋館の前でお別れしたけど…何を探してたんだろう？」

　レムネットさんは洋館の中にいる「何か」を探していた。
ゾンビを退治しないと探せないものだったのか、それとも
ゾンビ達と同じ異形の魔物だったのか。何も語らずに
去って行ったためその意図はわからずじまいだった。

動物愛好家のシェリー「ともあれ依頼は終わったし、街でまた少しゆっくりできるね。」

動物愛好家のシェリー「でもまずは荷物の整理かも。私もう何も持てなさそうだもん。」

　一部の道具の扱いをどうするか考えながら
宿に大きな荷物を置いた後、私はお買い物に。
人通りの多い大きな通りを歩いている。

動物愛好家のシェリー「そういえばUWELLが記憶が少しないって言ってたなぁ…、機械だからメモリに問題発生、なのかな？」

動物愛好家のシェリー「戦い続きだったから何処かでまずいところ打っちゃったのかな？」

　1度街を出ると戦い続きになるから
どこか気がつかないところで大事なところに
ショックが加わったのかもしれない。
機械だから丈夫だと言っても繊細な部分も
あるから注意してあげないといけないのかもしれない。

動物愛好家のシェリー「でも私たちのこと忘れたりするような記憶の飛び方じゃなかったのが幸いだけどね。」

動物愛好家のシェリー「私の回復術もまだまだだけど少しずつ上達してきたし…、皆怪我することなく旅が続けられると良いんだけど。」

　UWELLの記憶が飛んでいたことは気付けなかった。
いつも通りに戦ってるように見えたし
特に大きな損傷をしたわけでもなかったから
大丈夫なんだろうと勝手に思い込んでいたのかもしれない。

　そんなことを考えながらお買い物を済ませると
今度は両手に荷物を持ちながら元来た道を戻る。

動物愛好家のシェリー「そういえばリアちゃんが召喚を覚えたみたい。閃いた！とか言ってたんだけども･･･。」

動物愛好家のシェリー「召喚については私の方が心得あるから、今度教えてあげようかな。」

　リアちゃんはいくつかの召喚術を使えるようになった。
私と呼べる精霊が違うみたいだけど
基礎的なことは教えてあげられそうだし
召喚のことで話し合いのきっかけを
作りやすくなったのは嬉しい。

動物愛好家のシェリー「代わりってわけじゃないけど、リアちゃんに今度お料理の仕方教えてもらおうかな、お兄ちゃんに負けたくないからね。」

動物愛好家のシェリー「家から出ていった時は私とそんなに代わらない腕だったのに、しばらくして帰ってきたらお母さんより上手くなってるんだもん。『旅』の間に料理人修行でもしてきたのかな？」

動物愛好家のシェリー「歌もすごい上手くなってたし…、昔から不思議だなぁ、どんな動物も懐いてるし。」

私はふと、お兄ちゃんのことを思い出していた。

　お兄ちゃんはある日突然家からいなくなった。
しばらくしたらふらっと帰って来たんだけど。
「俺は旅をしていた。」って言って
相変わらず変なことばっかり言うから
その時は全然気に止めてなかったんだけど。
もしかしたら本当に旅をしていたのかもって
考えるようになったのはこの前リアちゃんから
リアちゃんのお父さんのお話を聞いた時だった。

動物愛好家のシェリー「お兄ちゃんに料理負けるわけにはいかないわ。女として負けた気がするもの。」

　いくら料理が上手くても家で過ごしている間
家事をするのはお母さんだから本当は料理ができなくても
困ることはない。けれど何処か兄に対する対抗心が
沸いてきて、どうしてもお兄ちゃんの料理を
美味しいと言う気にはなれなかった。

動物愛好家のシェリー「帰ったら私もお兄ちゃんに料理作って驚かせてやりたいなぁ。」

こういう時、私は意外と負けず嫌いなところも
あるのかな、と思うことがある。

動物愛好家のシェリー「そういえば…、リアちゃんが妖精を仲間にしに行かない？って言ってきたの。」

動物愛好家のシェリー「リアちゃんはこの世界にお知り合いがいるみたいで、その人のお話では森に出ることがあるんだって。」

動物愛好家のシェリー「自称悪魔を連れていたお兄ちゃんに、自称妖精を連れていた妹…ちょっと不思議だけどアリかもね？」

そんなことを考えた私はリアちゃん達と一緒に
森に行くことに決めた。UWELLも戦力が増えるなら
効率的だろう、って言って反対はしなかった。

動物愛好家のシェリー「また戦わなきゃいけないのがちょっと嫌だけれど…。」

動物愛好家のシェリー「私だっていつまでもビクビクしてたら二人の足を引っ張っちゃうもんね。私が二人を守るぐらいの気持ちでいないと。」

　今度の冒険の新たなる出会いに期待して
二人が待っている宿へと戻って行った。